CASE STUDY
人とクマの共生を
実現するための寄付

知床がいま直面している、
ヒグマとの共存の課題
北海道の雄大な自然を象徴する
大型哺乳類、ヒグマ。
世界自然遺産に選ばれるほど
自然豊かなことで知られている
知床半島は、
世界的に見ても高密度に
ヒグマが生息しています。


直面している問題
ヒグマをはじめ、野生動物の自然な姿を観察できることは、知床の魅力の一つとも言えるでしょう。観光船に乗って長い海岸を闊歩するヒグマの姿を観察できることもあれば、ドライブしていると道の脇からヒグマが現れる、なんていうことも。ガイドツアーで森を歩けば、爪あと、足あと、ヒグマのフン…などヒグマの息遣いを感じることもあります。日本の中で最も大きな陸上哺乳類が高密度で生息していることは、知床の自然が豊かな証拠でもあります。
しかし今、そのヒグマと人との距離が、危険なほどに近づいてしまっている現状があります。
知床の自然を堪能するためにお越しいただく方ばかりだと思いますが、中には、ヒグマに対して過度に接近したり、餌を与えてしまう方もいるようです。
このようなマナーの乱れや人間の配慮のない行動によって、ヒグマと人との距離が崩れてしまい、知床では、いま、次のような出来事が問題になっています
○ヒグマが市街地に侵入し、住宅地へも接近(時には子どもの通学路にヒグマが出没することも・・・)
○「ベアジャム」と呼ばれる、ヒグマを見ようとする車両による渋滞
○野外にゴミを放置することで、ヒグマがゴミに餌付いてしまい、従来は人への警戒感が強いにもかかわらず、ヒグマが人に近づくようになってしまう
このような状況は、住民の生活、観光のお客様の安全を脅かすだけでなく、
非常に悲しいことですが、ヒグマの命を奪う(駆除される)ことにもつながってしまいます。
現在の活動内容
●知床財団におけるヒグマに対する取組
ヒグマとの軋轢の大半は人間が気をつけることで回避可能です。地域の人々が許容し続けられるよう、ヒグマによる人身事故を発生させないこと、ヒグマとの軋轢を最小化することが知床財団の使命であり、知床財団では以下のような「ヒグマ対策」を行っています。
例)
- ヒグマが頻繁に現われている場所に、注意を喚起する看板の設置
- 釣り人や観光客がキャンプ場以外の場所で野営やバーベキューをしているような場合は、ヒグマに対する注意と食料管理の徹底を促すチラシの配布
- メッセージカードを大量配布する「知床ヒグマ餌やり禁止キャンペーン」の実施
- ヒグマが頻繁に現われている地区では、戸別にゴミ管理徹底などを呼びかけるチラシの配布
- 交通事故に遭って死んだり、重傷で動けなくなったりしたエゾシカやキツネを放置すると血の臭いに誘われたヒグマが道路上や道路脇でそれを食べ始めてしまうことから、こうした吸引物や不法生ごみなどの除去
- 市街地周辺、学校の周囲、観光地である知床五湖などにおけるヒグマの侵入防止に効果のある電気柵の設置
- 知床自然センター、羅臼ビジターセンター、ルサフィールドハウス、、知床五湖フィールドハウス等におけるヒグマ出没状況、ヒグマに出会わない方法、出会った時の対処法、過去の危険な事例などの情報提供
- 短期的には子供たちの登下校時などの安全を確保するための、長期的には大人になった後も地域の中でヒグマを正しく理解し生活をしてもらうための、地元の幼・小・中・高校を対象としたヒグマ授業の実施
●知床財団と
北こぶし知床 ホテル&リゾートとが
共同で行う
「知床のクマを守るための活動『クマ活』」
ヒグマとの共存を目指す「クマ活」は、北こぶしリゾートが創業60周年を迎えた2020年に、「知床への恩返し」をコンセプトにスタートしました。
主に、
- ヒグマが誤って迷い込んでしまう街の周りの草藪を刈り払う「草刈り」
- ヒグマを街や人に引き寄せてしまうゴミを回収するための「パトロール・ゴミ拾い」
- クマ活の活動やヒグマがどんな動物なのかを多くの人に知っていただく「普及啓発」
を行なっています。
多くの方にと共感し合い、人もクマにとっても過ごしやすい知床になるよう、ホテルスタッフ、地域住民だけではなく、ホテルにご宿泊のお客様やステークホルダー企業、学生など様々な方々と活動を共にしています。



距離を保つことが、共存の第一歩
ヒグマとの軋轢を減らし、
共に生きていくために、
- ●ヒグマに近づかない
- ●ヒグマにエサを与えない
- ●ヒグマにゴミを与えないように、
ゴミを適切に管理する
こうした基本的な行動こそが、
野生動物と人間との健全な距離を保ち、
未来の共存を築いていく第一歩として
啓発活動をおこなっています。
皆さまからのご支援・
ご寄付を必要としています。
ご寄付先
知床財団
ご寄付の使い方
- ○知床財団における
ヒグマに対する取組 - ○クマ活
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未来へ