CASE STUDY

昔を今に
~嵐山千本桜
プロジェクト~

京都 嵐山温泉 渡月亭

古川 拓也

TAKUYA FURUKAWA

https://www.togetsutei.co.jp

春の桜と秋の紅葉で
全国的に知名度の高い
嵐山の国有林が持つ
歴史・文化・由緒と景観の保全。

直面している問題

かつて嵐山は天龍寺の寺領で、人の手を入れた庭園的性格を持つ山であると同時に、地域住民の生活の山としても親しまれていました。しかし、嵐山が明治4年に国有林化され、民間の手を入れての管理が難しくなると、桜の老木化・マツクイムシによる松枯れ・カシノナガキクイムシによるナラ枯れ等、山の様相が変わっていってしまいました。倒れた木々の跡には常緑樹が繁茂し日照を奪ってしまうことで若木が育たず、また、気候変動による暖冬化が続き、鹿や猪が爆増し、植物の再生サイクルとなる若芽を食べてしまうなど、状況は悪化しています。

現在の活動内容

これまでも、地域の小中学生と嵐山保勝会で桜や楓の植樹を行ってきましたが、コロナ禍で途切れてしまいました。こうした中、嵐山再生の希望の灯火が失われかけた令和5年(2023)2月、コロナ禍の終焉と共に観光復活の象徴となるよう750年前の鎌倉時代の後嵯峨上皇の故事にならって、吉野山保勝会から厳選されたDNAの白山桜の苗木を譲って頂き、毎年50本の白山桜を嵐山国有林に植樹し、20年かけて令和25年に嵐山千本桜を蘇らせる為のプロジェクトを開始しました。なお、植樹費用には毎年200万円弱かかり、20年の事業費で約4,000万円が必要となり、さらには苗木の日照を確保する為の常緑樹の除伐には植樹費用以上に大きな費用がかかることがわかっています。

後嵯峨天皇

※後嵯峨天皇が退位され上皇となられる時に今の天龍寺のあたりに離宮を造成されましたが、
その時に嵐山にも吉野のような桜の風景が欲しいと吉野から数千本の桜を取り寄せたとの逸話が残っています。
嵐山国有林の中に天龍寺の飛び地境内があり、その中に蔵王権現堂という小さな祠が残っています。
ここからは推測ですが、吉野の金峯山寺(きんぷせんじ)では桜を御神木として扱われており、
吉野から御神木である白山桜を嵐山に運ぶ際に御本尊である蔵王権現も分祀したのではないかと考えています。
また室町時代の能作者・金春禅鳳(こんぱるぜんぽう)の『嵐山』という題名の作品がありますが、
これは勅使を遣わし吉野から嵐山に移植した桜の様子を見に行かせるという内容ですので、
この逸話がただのおとぎ話ではなく史実であるという証拠だと考えています。

昭和初期パンフレット
昭和初期パンフレット

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ご寄付先

一般社団法人 嵐山保勝会
THE嵐山
嵐山保勝会公式サイト

ご寄付の使い方

  • ○公益財団法
    人吉野山保勝会さんから
    譲り受ける白山桜の苗木代
  • ○嵐山国有林に植樹する植樹費用
  • ○防鹿柵設置費用
↓

文化を
未来へ

大宮人たちに愛された嵐山の景観は
『日本人の心のふるさと』と
呼んでも良いのではないかと考えています。
また景観だけではなく、
そこに内包された歴史文化由緒も含んだ
嵐山を50年後・100年後も保てるように今、
活動を始めないと間に合いません。
子や孫の世代にも日本人全員の財産である
“嵐山”を守る
『昔を今に~嵐山千本桜プロジェクト~』へ
ご理解とご協力を頂き、
“嵐山の美しい桜”の
里親となって頂きたくお願い申し上げます。

私たちのそばにある文化を守るために